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電磁超音波の発生原理

垂直磁場中の磁界B0とコイルにより試験体表面に発生する渦電流Jとの相互作用で、水平方向にロレンツ力FL(横波超音波)が発生し、垂直方向に伝播します。受信はこの逆のメカニズムすなわち受信はマグネットの磁束と材料表面に戻ってきた超音波による相互作用で渦電流が発生し、その渦電流の磁束をEMATコイルでピックアップすることのにより行われます。
磁界の方向きと電流の方向によって、発生する超音波の種類が異なります。
垂直横波、縦波、斜角波、表面波等種々の超音波の送受信が可能です。

横波発生用EMATセンサー構成

横波発生用EMATセンサー構成

典型的なEMATパンケーキコイルと永久磁石構造

<ASTM E1816-96規格より>

パンケーキ型コイル

パンケーキ型コイル

EMATパンケーキコイル用永久磁石構造例

EMATパンケーキコイル用永久磁石構造例

電磁超音波の特徴

電磁超音波探触子は接触媒質なしに、非接触に材料の表面に超音波を発生させ、送信・受信ができるため、高温材の探傷や粗い表面の材料の探傷あるいは水や油などの接触媒質の使用が困難なものに対して有効です。高温材料に対して現在MAX950℃まで適用できる装置が実用化しています。

また、電磁超音波探触子は従来のモードの波に加えて、水平横波(Shear Horizontal)モードの垂直、斜角、ガイド波など従来のピエゾ探触子では適用が困難なモードの波が利用できます。
さらに水平横波の振動方向を特定の方向、例えば板の長手方向あるいは直角方向、に発生できる偏向した振動をもつ検出センサーコイルも開発されて使用されています。

EMATによる斜角超音波の送信原理

櫛形のコイルを使用、コイルピッチpと斜角屈折角θ、周波数fと音速Cとの関係は2p=C/fsinθで与えられます。
θ=90°の時は表面波となります。
超音波は両方向に発生します。(図は片側のみ示します)

EMATによる斜角超音波の送信原理
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